井手久美子「徳川おてんば姫」

神保町の三省堂で買った。

徳川慶喜家の子ども部屋」の著者、榊原喜佐子さんの妹君に当たる。ずいぶんポップな装丁で軽い本に見えるけど、徳川慶喜(よしのぶ、は忌み名で、周囲はケイキと読むというのもこの本で初めて知った)の孫である彼女にしか書けない、彼女の目線での大正昭和の貴重な記録だった。女子学習院での学生生活やお嫁入りの話が本人ならではのテンションで、他人が書いたら「こんなにすごい!超お嬢様!!」ってなりそうな内容なのに、彼女にとってはそれが普通のことなので、個人的な思い出をただ記している、という感じ。特別扱いがお嫌いだけど、でも特別にならざるを得ない、というご自身の立場もちゃんと認識されている。ご本人のお話を直接伺ってみたかった。

徳川おてんば姫

徳川おてんば姫