興津要「落語界のエース」

図書館で。落語中興の祖、三遊亭圓朝の子ども向け伝記。書いている人は興津要さんなので、安心して読める。「と言ったかどうかはわかりませんが」的なくすぐりが時々入るあたりも、らしくてよい。芸に対しては聖人君子で(とにかく真面目で、師匠に嫌がらせされても尽くし、弟子のことは徹底的にかばう)、新しいことにもどんどん挑戦する(古典ばかりでなく、世相に合った新作も作る)って出来すぎな気がするけど、家庭はうまくいかなかったという。「寄席芸人伝」で読んだ話(へらへら踊りとか)も出てきた。古谷三敏はすごいなあ。


落語協会が毎年8月の圓朝さんの命日に合わせて開催する圓朝祭にここ二三年足を運んでいて、その度に圓朝さんのお墓参りをしているのでなんとなく親しみがある。お祭りは猛暑の中、菩提寺の谷中全生庵で行われていてとても楽しいのだけど、今年は三太楼さん破門の件がもやもやしてるので、行くかどうかはちょっと微妙。


落語界のエース―舌三寸の名人芸に生きた円朝 (日本史の目)

落語界のエース―舌三寸の名人芸に生きた円朝 (日本史の目)