角田光代「いつも旅のなか」

私は、旅の途中で一度は必ず「なんで私こんなところまで来ちゃったんだろう」と思う。つまらない訳でも疲れた訳でもなく、好きこのんでわざわざ来た場所で、ふとそう思うときがある。その瞬間が、旅の醍醐味のひとつだと思う。角田さんは、めんどくさいことはいやと言いつつ、めんどくさそうな土地ばかり旅していろんなことを体験しながらも、躁的になることなくテンションはたいてい低めで、その感じが旅のリアルだなあと思う。

いつも旅のなか

いつも旅のなか