きょうの料理バックナンバーで読んだ、陳建一さんが語るご両親の話が面白かった。お父さんは香港に妻子を残したまま日本にきていて、それを正直に「だから給料半分こね、結婚してください」とプロポーズし、それを聞いたお母さんは、ふむ、正直でよろしい、と承諾したとある。もっと詳しく知りたいなと思っていたところ、建一さんのお母さん(つまり建民さんの奥さん)である洋子さんについて描かれたこの本があったので読んでみた。
建一さんによると、建民さんは調理場では随分と恐い人みたいだったけど、そんなパパが「ママ、どこ行きますか」「ママ、愛してます」とずーっと洋子さんの後をついてきて、それを「かわいかったねえ」と述懐する。微笑ましい光景だったのだろうなあ。そして二人のお子さんは勿論、周りの人みんなにたくさんの愛情を降り注いで生きた人だった。太陽みたいに。戦後、まだ国際結婚が一般的ではなく、日中関係も今とはまるで違った頃のお話。
- 作者: 吉永みち子
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2000/10
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る