ユトレヒトでたまたま見かけたZINE。というには分厚い、文庫本のようなつくり。武田百合子の「富士日記」を「あきれるほど丁寧に読み解いていこうという試み」。「富士日記」はたぶん今までで一番読んだ本(次点は「細雪」)だと思うんだけど、この本では文章をひとつひとつ当時の世俗や武田家の状況などと照らし合わせながら精読していて、かゆいところに手が届くような図版も収録されていてわかりやすい。この本でまだまだこんなに楽しめるのか、というたまらない内容。まだまだ序盤までなので、ミズモトさんにはこの企画を長く続けていただいて、最後まで見届けたい。
アガサ・クリスティ「杉の柩」
そういえばタイトルの意味がわからないままだ。
法廷の場面で始まり、事件が起こった頃に時制が戻り、また法廷の場面に、というABA方式なのが珍しい。ほんの少しのほころびから一気に謎が解けるのが気持ち良かった。
河鍋暁斎記念美術館「河鍋暁斎絵日記」
くずし字読めるようになりたい、こういう絵日記の文字を読みたいんだよ。さらさらと描いた絵や文字がたまらん。描いた先から周りの人に持って行かれたの、よく分かる。私も欲しいもの。
吉田戦車「出かけ親」1
持つべきものは心のネコである。
一人でお出かけする漫画、確かにツッコミ役のネコは偉大な発明だな。
山内マリコ「買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて」
原武史 三浦しをん「皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。」
村田沙耶香「きれいなシワの作り方」
このときの村田さんと飲んでみたい。「おひとりさま海水浴はハードルが高い」とか「過去にクラブに行ったことがある」とかいう話に、「ひとり海水浴意外と平気だよ!言うほど目立たないよ!」とか「忘れた頃にまたクラブに遊びに行ったりすることもあるよ!」とか答えたいし、歌舞伎町のコンビニの話とかアダルトショップの話とか聞いてみたい。