本谷有希子「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」

12日のトップランナーに出ていた本谷有希子さんを観て、そのかわいらしい容貌と朗読される作品に感銘を受け、文庫を買ってみた。今ちょうど再放送されているのだけど、戯曲「乱暴と待機」の朗読がすごく良かった。

女「私ってほんとにめんどくさい女だから」
男「めんどくさいのは嫌だな」
女「めんどくさいの嫌でしょ」
男「めんどくさいの嫌でごめんな。めんどくさくても大丈夫って言ってやれなくてごめんな」

うわあ、と思っていたら、本人も「めんどくさいの嫌でごめんな、」という台詞について、ここがいいんですよ!!と力説していて、彼女のことをすごく好きになった。


サトエリさん主演映画になるのだな。お姉さん役がぴったりだ。女優志望で、自分は特別な存在であると強く信じることを拠り所にして生きている。痛くてぎりぎりとした小説。一気に読んだ。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫)