山崎朋子「サンダカン八番娼館」

サブタイトルが「底辺女性史序章」。底辺女性史ってすごい言葉だな。東大の辺りを散歩してるときに通りがかった古本屋さんで購入。品揃えがいい感じだったけど何ていうお店だったか覚えてない。

 

「からゆきさん」て言葉だけは聞いたことがあって、でも実情は全然知らなかった。天草あたりの貧しい家の子どもが南方に娼婦として売られていて、しかもそれが明治時代から大正時代のことだったなんて、初めて知った。なんとなく、戦後の話かと思ってた。

 

著者のアティチュードとかいろいろ気になることはある(なんせ「底辺女性史」だし)けど、「からゆきさん」たちの血の通った記録、特に帰国後の暮らしの様子、周りからの扱いの様子まで書かれているのはよかった。

 

サンダカン八番娼館 (文春文庫)

サンダカン八番娼館 (文春文庫)