ミズモトアキラ「YURIKO TAIJUN HANA 武田百合子『富士日記』の4426日」

ユトレヒトでたまたま見かけたZINE。というには分厚い、文庫本のようなつくり。武田百合子の「富士日記」を「あきれるほど丁寧に読み解いていこうという試み」。「富士日記」はたぶん今までで一番読んだ本(次点は「細雪」)だと思うんだけど、この本では文章をひとつひとつ当時の世俗や武田家の状況などと照らし合わせながら精読していて、かゆいところに手が届くような図版も収録されていてわかりやすい。この本でまだまだこんなに楽しめるのか、というたまらない内容。まだまだ序盤までなので、ミズモトさんにはこの企画を長く続けていただいて、最後まで見届けたい。