中島美代子「らも―中島らもとの三十五年」

前に会社でバイトしてた子の旦那さんが中島らもの舞台を再演する話を聞いたり、大阪に遊びに行くことになったりのタイミングで、そういえば前から気になってたこの本を読んでみようと思って取り寄せてみた。わかぎゑふさんのことが書いてあるって聞いててそこが気になってたんだけど、まず超お嬢様育ちの美代子さんと、躁鬱病の歯科医のお父さんと超倹約家のお母さんに育てられたらもさんの出会いから吹っ飛ぶような面白さで、フーテンの人たちってこんな暮らしだったのか、とか、婚姻外の恋愛とかの倫理観のおかしさ、もうなにがなんだかわからない面白さだった。まさにセックスドラッグロックンロールを地でいく感じ。芝居をやっている頃、すなわちわかぎさんとどっぷりだったころの描写は読んでて辛い。基本的にはちょうラブラブな夫婦の物語なんだけど、何もかもが普通でなくてすごい。

昔オリーブでもらもさんとゑふさんは二人で連載してて、ゆかいなおっちゃんとお姉さんのコンビだなあ、と思いながらそれを楽しく読んでた頃の私に、その二人相当やっかいなことになってるよ、と耳打ちしてあげたい。でもその連載もなんだか最後ぐずぐずになって終わった気もするので、なんか、そういうことなのかな、と察したような記憶もある。

らも―中島らもとの三十五年 (集英社文庫)

らも―中島らもとの三十五年 (集英社文庫)