昨日一昨日と米沢に行ってきた。すごく寒くて雪が積もってて、地元の人にも、何でこの時期に、と言われた。



前に読んだ森まゆみさんの「いで湯暮らし」に出てきてとても印象に残っていた、白布温泉の西屋旅館に泊まった。ものすごい雪を堪能した。周囲を散歩したが、私たち以外誰も歩いていなかったし、山中の遊歩道はどこも雪に埋まっていて、見る影もなかった。雪が積もり過ぎててかっこよかった。






米沢を選んだきっかけは、ずっと気になっていた「猫に蛸」という人形が欲しかったから。工房にお邪魔して、相楽人形のおかあさん(今の八代目のおかあさん、そして最近亡くなられたという先代の奥さん)とおしゃべりしながら、たくさん悩んで選んだ。もともとはあまり人形などを買うことをしないので、今回も猫に蛸だけを買うつもりだったけど、おかあさんの「猫が好きなの?みーんな猫や犬を飼っていくの。でもね、私は女の人が好きなの。色気があって」「えーあんたも猫買うの?」「七代目のは貴重よ、これだったらもっといい顔のがあるの、今持ってくるわね」などという山形弁につられて、つい先代の「人形遣い」も買ってしまった。ちなみに猫に蛸はもともと白い顔だが、今の八代目が顔にいろいろ模様を入れて楽しんでいるらしい。こんなふうにぶちなどのある猫を買えるのは、工房だけみたい。なんだかアナーキーな模様の入った猫が何匹もいた。


買った後、居間でお茶とお手製のお漬け物をごちそうになりながらおしゃべりをした。「先代がお元気だった頃から息子さんは一緒にやっていらしたんですか?」と伺ったら、「うんそう、15、6年になるから、もう大丈夫だと思う」とつぶやいた姿が、おかあさんぽいなー、と思った。