トルーマン・カポーティ「カメレオンのための音楽」

何度目か分からないけど読み返す。後年のカポーティの短編集。散漫で冷たく美しい印象を受ける。吉本ばななの「アムリタ」だったか、旅にいつも持って行く本として挙げられていて、ハードカバーだから重たいんだけどね、といった台詞があったが、今は文庫になっているので喜ばしい。好きな短編小説を問われたらいつも、この中に収録されている「うつくしい子供」のことを思います。「叶えられた祈り」に繋がるのか、カポーティにはこういうポートレートの秀作の数々が残っているのがいい。

カメレオンのための音楽 (ハヤカワepi文庫)

カメレオンのための音楽 (ハヤカワepi文庫)