ナンシー関「天地無用」テレビ消灯時間6

やっと今更になって読んだ。亡くなる直前のコラムまで収録されていてなんだか悲しい。
ナンシーさんが亡くなった日のことを覚えている。私は働き始めたばかりのグラフィックデザインの事務所にいて、ナンシーさんと同年代であるところの上司たちがその話をしていて、でもその話には入ることができず、デザイナーでもなくその職場にいたのだけど、誰からも距離が離れていて、誰かとその話をしたかったのに誰ともできなくて、ちっとも馴染めないその職場を心底いやになったのだった。ナンシーさんが死んだ、という悲しみと一緒に、あの時の気持ちを思い出す。