木村俊介「漫画編集者」

年末年始に読む本として、積読本の中から、宮部みゆき「希望荘」を選んだ。分厚いハードカバーの長編推理小説って年末年始っぽい、と思ったから。新幹線の中で開いて目次を見て初めて、長編ではなくて四編の中編で構成されていることを知った。今までの杉村三郎シリーズはがっつり長編だったので、てっきり今回のもそうだと思ってた。拍子抜けしながら読み始めたけど、これはこれでおもしろい。新幹線が東京駅に着いて、乗り換え前に一息つきたいなと思って、Fairycake Fairで塩キャラメルサンデーとコーヒー食べながら続きを読んだ。外でお茶飲みながら本を読むととても満たされた気分になるので、今年はもっとやっていきたいと思った。これを今年の抱負とする。

家に着いてからは、お風呂で全然別の読みかけの本を読みきった。仕事への取り組み方とか刺激になるといいなと思って買った本だけど、このところ会社に求められる姿勢がよくわかんなくなってきたので、参考になるかはわからない。でも参考にしたいし、こんなふうに人に寄り添って仕事をしたいと思っている。

漫画編集者

漫画編集者

 

 

小泉今日子「パンダのanan」

一つ一つが短いし、ananの連載ってことで軽い文章が多いし、もっとがつんとキョンキョンの文章が読みたい、という欲が大きくなる一方であった。

パンダのanan (マガジンハウス文庫)

パンダのanan (マガジンハウス文庫)

 

 

雨宮まみ「女子をこじらせて」

雨宮まみさんの文章を積極的には読んでこなかった。自分のような人を狙い打った文章を書く人だと思ってた。こじらせ女子、あーはいはい私のことですね、と。同族嫌悪もあったかもしれない。頑張って目を背けてきたことをつまびらかに文章にされるきつさがあった。

ここ数年、それが変わってきた。読む側の私も変わったのだろうけど、雨宮さんももっといきいきと好きなことを書くことが多くなり、いつの間にか気になる文章を書く人になっていた。特に「40歳がくる!」は、まさに同い年として、40歳を迎えることに対する不安とか心意気とかに頷きまくりながら読んでいて、この人と一緒に歳をとることができるのは心強いぞと思っていた。

今年の夏、江の島でのデイイベントの会場に雨宮さんがいた。お友だちと一緒にきれいに着飾っていて、ものすごく楽しそうにお酒を飲んでて、テキーラのショットを何杯もあけてた。その楽しさは周りに伝播していって、オカダダのDJで笑いながら踊って、見知らぬみんなで乾杯をした。この夏のベスト3に入る楽しかった瞬間だと思う。後日、雨宮さんはお酒に強くないという文章を読んでものすごくびっくりした。

その日の雨宮さんは、白い薄い素材の肩の出るカットソーに黒いインナーを合わせていて、ピンクのふわふわのプーマのサンダルを履いて、タムくんの大きなイラストの入ったクラッチバッグを持って、ラメダリコのシルクのチョーカーを腕に巻いていた。ちょっと奇抜で、でもどれも似合っていてとてもかっこよかった。わたしはものすごくラフな格好だったので、こういうイベントの時はもっとちゃんとおしゃれをするべきだな、それが礼儀だし、その方がイベントをちゃんと楽しめる、と深く反省をした。

それがきっかけで雨宮さんのことがとても好きになり、ちゃんと素直な気持ちで文章を楽しむようになった。そしてこのところの雨宮さんの文章は向かうところ敵なしな勢いがあって、いいぞいいぞと思っていた。

でも、突然いなくなった。

夏の一件以来、雨宮さんの本をちゃんと読んでみよう、と思い、まずは「女子をこじらせて」を書店で見つけたら買おう、と思っていたのだが、なかなか売っているところを発見できなかった。探してるうちに、著者がいなくなってしまった。

これだけずっと探してきて、結局追悼コーナーで見つけることになったらやだな、と思っていたのだけど、結局そうなった。いくつも書店を回ったのに追悼コーナーすらなかなか見つけられなかったから、平台に並べてくれてた本屋さんにはとても感謝してる。

これまでの文章を読む楽しみは辛うじて残っているけど、でも、もっとこれからの雨宮さんの文章を読みたかった。取り残された私は呆然としている。

女子をこじらせて

女子をこじらせて

 

 

海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」2~8

 ドラマがあんまり面白いのでやはり原作の続きに手を出してしまった。夜中でもどんどん続きを買えてしまうKindle便利すぎてやばい。原作は原作でいいなと思ってきた。特にゆりちゃんがいい。

 ドラマこの後どうなるのかなー

 

 

小泉今日子「黄色いマンション 黒い猫」

小泉さんの文章に撃ち抜かれてしまった。もっと読みたい。もっと書いて欲しい。子供の頃、デビュー前後の頃、アイドルの頃、過去の小泉さんのことを普通に書いてるのがすごくいい。

黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)

黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)

 

 

ロマン優光「間違ったサブカルで『マウンティング』してくるすべてのクズどもに」

まずタイトルが最高。こないだ初めてロマンポルシェ。観たとき、ロマンさんはにやにやしながらディレイかけつつすごい勢いでビールを何缶も空にしてた。あんなおじさんがこんなにすごい本書くなんて。

膝打ちながら何度も読み返した箇所いくつかあるけど、大学で一緒だったという大塚幸代さんの個人的な思い出を記した文章がとてもよかった。

 

中平龍二郎「ホントに歩く大山街道」

大山詣りに興味があった頃に頂いた本。金比羅さんとかお伊勢は有名だけど、身近に大山街道があって、こんな地味な近所をお詣りに行く人が通って町が形成されてたのかと思うと不思議な気持ち。山へお詣りにってレジャーと信心が融合しててよくできたアミューズメントだったなーと思う。

ホントに歩く大山街道 (未知の道シリーズ)

ホントに歩く大山街道 (未知の道シリーズ)